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音楽の常識「コード進行」8

8:4度進行(コード進行の定石・その2)
 
Q太郎(以下Q)「センセ、日本列島凍り付いている間に1月が経ってしまいましたが、ご気分どうですか?もう退院しはって四ヶ月やさかい、普通に戻らはったんと違う。心機一転どないです?」

「そうやね。元に戻るというより、まさに心機一転、新生の年にしたいね。」

Q「若いなぁ。しかし、体は大事にして下さい。センセは代わりが居らへんねし。」

「オオキニ。まず、ウィンド・アンサンブルのスタイルで、『ハンガリー舞曲』のアレンジを手がけました。吹奏楽を室内楽の延長線上と見ている、僕のもっともやりたかったヤツやさかい、気合いが入っとるんや。それから、カンマームジーク大阪というバンド(このバンドもウィンド・アンサンブルなんやけど)の初演作品も書いて・・・というわけで、もう始動しとるんよ。」

Q「そうですか。それはスゴーイ!甦った何かが早う聞きたいですがな。早速ですけど、昨年のコード進行の続きやってくれません?」

「そう、年末年始、チョット間が空いてしもうたな。ほな、順次進行の次の定石に進もうか。音楽の常識辺りで、コード進行の最初の話として、 という進行が、コードの機能から作られるコード進行の基本や、と云うたん勿論、覚えてるやろな。」

Q「もちろん、もちろん、あれから楽譜見るたんびに、このフレーズのはなんや、はなんや、はなんやねっちゅうて、やってます。」

「よっしゃ。ほんなら、キーは C として、 Dm 使うたら、このときのは?」

Q「2度上がってんのやさかい、この前の順次進行やっ ! 」

「ほな、 F を使って、G7 へ進行したしたら?」

Q「それかって、順次進行やんか。」

「その通りや。そいで G7 から トニックの C へ進行するねんやね。これは、もっとも大事な進行で、大事というか、どない云うたらエエかな。音に対する感性として、良かったあぁ、というか、そうやったんか、とか、そんな気持ち、解決したという感覚になる進行なんやね。」

Q「それドミナント進行云うて、音楽の根幹を作る進行やったですね。」

「そうや。その進行はコードのルート(根音)が、ソ・ラ・シ・ドちゅうように、完全4度上がって行くんやな。ソ・ファ・ミ・レ・ドと完全5度下がって行く、と考えてもいいね。そこでこの進行を、4度進行と呼んでいるんや。」

Q「ほなセンセ、4度進行でコード進行を作っていったら、キマリですな。どないなサウンドになりますねん。」

「お前の得意のギターでやってみたらエエがな。まあ、キー C として、ダイアトニック・コード全部使ってやってみると、こないになるんや。C→F→Bm7(b5)→Em→Am→Dm7→G7→C、これで循環するしな。」

Q「センセ、F〜Bm7(b5) のとこ、ルートの動きは、増4度ですやん。」

「そうや。まあ4度の親戚や云う事で、部分的に使うにはエエやろう。全体的にみて、メジャー・キーの中に、副3和音のマイナー・コードが入ってきて、明るいムードの中に、淡い感じが広がって、思わせぶりの泣かせが入るんやな。」

Q「バラードで迫って行くのにエエ感じですね。前に習うた、ツー・ファイブも、この4度進行なんですね。」

「そうそう。4度進行を上手く使っているんやね。4度進行は、全ての音楽の定番中の定番やね。そやから、コード進行の中での、最強進行と云えるんやね。」
 
 4度進行を使ったコード進行です。

 キーは C minor で、Cm→Fm7→Bb7→Ebmaj7→Abmaj7→Dm7→G7→Cm7

 これを繰り返して最後は Cmaj7 で、と云うわけです。ではこのコード進行で、やんわりと一節行きましょうか。


※上記のメロディは著作権フリーです。ご自由にお使い下さい。


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【ウィンズスコア編集部より】
下のコメント欄(comments)にて、櫛田先生へのメッセージ・質問等を受け付けております。後日まとめて、先生にお返事していただきますので、疑問や悩みをぶつけて下さい!

音楽の常識「コード進行」7

7:順次進行(コード進行の定石・その1)

 帰って来ました途端に、何やら身辺忙しくなりまして、なかなか楽にはさしてもらえそうにありませんが、いやぁー有り難いこってす。やっぱり、生きているのはよろしおす。コンクールのお話は、また機会をみてやります。

 さて、本筋の音楽理論のお話に戻るんですけど、コード進行について基本的なことは一応通って来たんやけど、「ほな、実際に曲を作るんやったら、どないすんねん。」とQ太郎に云われそうで、そこで今回からは曲を作るときは、と構えてみませんか。つまり、「実践音楽理論」ちゅうわけや。知らんうちに作曲家になってしまってるかもね。
 
 楽曲の話を進めるとき、なんでコードとコード進行の話が中心になって来るのんか解る?楽曲って云うのんは、和声・コード進行とフレーズ・旋律で出来てるんやからやね。
 どないになってるかって云うと……。楽曲の顔は、そら旋律・メロディや。フシやな。こいつがキレイやないとアカンわ。人に会うたとき、顔見るじゃん。他のとこ見るヤツは、ちょいオカシイやん。楽曲の顔・旋律・メロディは、単に旋律という線・ラインで出来ているように見えるけんど、それはコード進行という、大きな流れの上に乗っかって出来ているんです。メロディの裏側には、コード進行の気色が見えてくるんです。逆に云うと、コード進行の自然な流れを持たない旋律は、不自然なんや。そやから、気持ちエエメロディを作るには、まずコード進行を設定しといて、そのコード進行に乗って歌うてみる、という手があるのです。ポップス系は、殆どこの手で作られてんのや、と云うてもエエ。

 というわけで、いよいよコード進行の実際・定石をお話しましょう。まずは、コードをダイアトニック・コードの順に移動させて行きます。こんな単純な手法があるのです。「順次進行」といって、ナチュラルというか、シンプルちゅうか、でも結構イケルのです。

 C→Dm7→Em7→Dm7→C→Dm7→Em7→F→G7→C

 要するに、ダイアトニック・コードの隣り合ったコードを連結して行くのです。
 この進行の上に、メロディを乗っけてみよう!!


※上記のメロディは著作権フリーです。ご自由にお使い下さい。

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音楽の常識「コード進行」6

6:2度のメジャー・コードの活用

 セカンダリー・ドミナント7thコードの活用から、コード進行に色彩感・豊かさ・情感が広がって来ることが、理解出来たと思います。また、そこをポイントにスコアを読む事で、演奏がグッと豊かな流れになるのです。
 さて、ハ長調の5度・G7(ドミナント)のコードのセカンダリー・ドミナント7thコードの D7 は、前回ちょっとだけ話しましたように、セカンダリー・ドミナント7thコードとして機能する以外に、独立したパーツとしてコード進行に組み込むことがあります。通常、2度のコードは、音階の<2・4・6度音>で構成しますから、短3和音がベースで、マイナー7th・マイナー7thフラット5 といった形で使われるのですが、この場合(D7)、4度を半音上げた構成<2・#4・6度音>という長3和音がベースとなります。そう、2度のメジャー・コードと云えます。

Q太郎(以下Q)「思い出しました、センセ。いつでしたかな、アッツイ夏の日、センセとギターでビートルズやって、ここ格好エエワ、言うて。」
「ナンチュウたって、ビートルズは『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』やで。」
Q「と言うては、あのスゴイLPのジャケットを見せびらかしたはったな。」
「あのジャケットの観客の中に、シュトックハウゼンが居るのん知っとったかな。」
Qボブ・ディランアインシュタインはわかるんやけど。」
「お前さんは、ダブルA面シングルの『Day Tripper』がエエちゅうて、アタマの2小節のリフばっかりやっとったね。」
Q「センセかって、アンコールの『A Day In The Life』ばっかりやったでっせ。」
「ほんで、D7の話やが。『Day Tripper』に出て来よるな。」
Q「解るわ。7小節目からの E7→F#7→A→G#7 ちゅうとこに出て来よる F#7 ですね。」
「そうや。解り易くハ長調で云うと、C7→D7→F→E7 となるんやね。この2度メジャー7th は、4度や2度・6度と組み合わすとエエねんやな。」

【C→D7→F→C】
『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』のアタマ、でブルースやR&B の定番でーす。
【C→D7→Am7→Dm7→G7→C→D7→F major7→Am】
もうエエか。こんなコード進行で、マーチ書いてみません?
 
 スミマセン。今回は、Q太郎との雑談が多くって。いえいえ、センセのビートルス談義が聞きたいって?ホンマ?ほな機会みつけやっちゃおうか。それとも、ビートルズ・ナンバーをアレンジしょうか。それとも、曲目募集から行こうか。
 ではまた。次回は代理コード(ウラ・コード)の話しょうか。

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音楽の常識「コード進行」5

5:セカンダリー・ドミナント7thコードの活用法

 さあ、前回セカンダリー・ドミナント7thコードのお話、理解できたかな。その調のダイアトニック・コードによる進行を、より豊かに・色彩的に演出するパーツなんじゃ。とくに、旋律が情感豊かなときほど、バチッと来るんや。C Major(ハ長調)で、もう一度やっとこうか。
 C Majorのダイアトニック・コードは、C・Dm(Dm7)・Em(Em7)・F(F Major7)・G7・Am(Am7)・Bm7(b5)やから(音楽の常識2参照)、Cはセカンダリー・ドミナント7thやなくて、もともと5度のドミナント7thコードのG7が居るし、7度のBm7(b5)は解決せーへんコードやから、この2つは除いて、それぞれのコードへ完全4度上行(完全5度下行でもエエ)する7thコードちゅうわけで、DmへはA7EmへはB7FへはC7G7へはD7AmへはE7と云う事になるんやな。そうして、そのヴァリエーションの一つとして「two-five」ちゅうやつを使うんやったな。
 じゃあ、1つ想い入れタッブリのコード進行を一つ、これで来年の課題曲を書いてみるか。
 
 C→E7→Am→C7→Fmajor7→Em7(b5)→A7→Dm→D7→G7

まあこんなとこか。
どのコードが、セカンダリー・ドミナント7th で、どこが two-five か解るかな。

Q太郎「センセ、6つ目の Em7(b5)は、Emでエエノンとちゃう ?」
「ヤッパリ、来よったか。そうや、Emや Em7 でエエンや。けど、短調(minor)の2度のコードは、マイナー7thフラット5 の構成になるんやから、two-five の進行では、その行く先のコードがマイナーのとき、m7(b5) にすると、なんちゅうか、よりノスタルジックになるんやね。どう。」
Q「D7→G7 のとこの D7 のコードをドッペルや云うてたヤツが居りましたよ。アイツ、音大へ行っとったかな。」
「そうか。まだドイツ語かいな。何やエライみたいに、音楽でドイツ語を使うなんて、もう古いんじゃない。僕らの業界では、全て英語で行こかって云うてるのんや。まあ、エエ。G7 は、5度のコードで機能はドミナント、それに進行する D7 は、セカンダリー・ドミナント・コードやさかい、ドミナント・コードが2重になるんで、D7 のことをドッペル(doppel:ドイツ語)・ドミナントと呼んでいるんや。英語で云うたらダブル(double)・ドミナントちゅうわけ。セカンダリー・ドミナント・コードのこと、日本語では一応〈副属七の和音〉と呼んでいます。」
Q「セカンダリー・ドミナント7th・コードにしても、two-five で使うコードも、センセ、全部よその調の5度のコードやったり、2度のコードですやん。」
「お前、いつの間に、そんなスルドクなったんや。その通り、よその調の5度であり、2度であるんや。そやから、借用和音ちゅう呼び方もありますねん。」
Q「セカンダリー・ドミナントへ、ドミナント・モーションでアプローチするコードを、置いたらあかんのん?」
「お前、色んなこと考えるな。そうや、そら有りや。Dm へ、E7→A7→Dm と行くんやな。この E7 のコード、イクステンド・ドミナント7th と云うんやけど、これをどんどん使って行くと、どんどん調性が希薄になって行くから、まあ使いようかな。」

 Q太郎君、僕の目を盗んで、色々勉強しているようです。今日もこのあと、話が弾みました。とくに D7 の使い方で、セカンダリー・ドミナント7th と違った使い方のアプローチを云い出しました。このことは、次回に。それではまた。

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音楽の常識「コード進行」4

4:コード《和音》を引き立たせるコード
 前講義で、その調の本来のコード(ダイアトニック・コード)が、どのように設定されているかは理解出来たかな。《春を告げる風が吹いて》《何かが湧き上がって来る自分の気持ち》といった主題が、[A]の部分のダイアトニック・コードB♭→Gm→Dm→E♭→Cm→Fという形で、きちんと設定されているんだな。ホントに良く勉強されているよ。機能的には、という基本進行を構成して、最後のF()で半終止するという、全く教科書通りの進行だな。(優秀・花マル)

  さて今回はじゃ。そのダイアトニック・コードの間に設定された、ツナギのようなコードについてのお話です。ダイアトニック・コード以外のコード(ノン・ダイアトニック・コードと云います)をチョイト使って、ダイアトニック・コードに思いをこめたり、色彩を豊かにしたり、つまり本来のコードをグゥーンと引き立たせるんや。言葉を豊富にして、より以上の感情移入をしょうという、カラフルな演出やな。

  そのノン・ダイアトニック・コードの定番ネタの一つが「セカンダリー・ドミナント7thコード」なんじゃ。そもそもドミナント7thコードからトニック・コードへの進行は、最も安定感のある進行で、ドミナント・モーションと呼ぶんじゃが、こいつをダイアトニック・コードに使ってみよう、というアイディアなんだ。つまり、各ダイアトニック・コードを仮のトニックとしといて、それに向かってドミナント・モーションして行く仮のドミナント7thコードを設定しようやんか、というわけ。
 [A]の部分の、B♭→Am・D7→Gm→Dm→E♭、F7→Dm7、G7→Cm、C7→Fという進行の中やったら、D7・G7・C7 や。それぞれ、次に来る Gm・Cm・F を引き立たせるちゅうか、思いを込めたというか、流れるように進行するんやな。

Q太郎(以下Q)「ドミナント7thコードって、スゴイですね。」

「そうや。トニックに対する支配力みたいな、どないと動かす力があるんや。まあ、ウチのかみさんみたいなもんやな。」

「さあ、そしたらあと残りのAmの正体はなんですねん。」

「これはじゃな、D7というセカンダリー・ドミナント7th・コードを、2つに分けて、つまり細分化することで、より細やかな感性を与えるという、いうたら1つのバリエーションやな。」

「ナント。Gmへ進行するのに、こないな気持ち、よろしいな。」

「この分割のモトネタ解る?」

「ダイアトニック・コードの 2度・5度・1度 の進行、センセがしょっちゅういうてる、SDT でっしゃろがな。」

「そうや。Amは仮の2度で、D7が仮の5度で、ちゅうことや。」

「ほんで、これをツー・ファイブちゅうねん。」

「お前、知っとったな !! 」

 今日はここまでにします。また次回、 Q太郎君と一緒に。

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音楽の常識「コード進行」3

3:コード《和音》の流れ
 前講義【超基本のコード進行】G7)は、一応アタマに入ったかな。それでは、この基本形からどのようにストーリー性のある流れが出来て行くんやろか。今回は少し難しいかも知れんが、まあクイズ・ゲーム感覚でついて来てね。

 課題曲4の『南風のマーチ(Spring Breath March)』格好いいね。この英文のタイトルの方が似合うよ。「南風」なんて、吹っ飛んでしまいそうな力士のしこ名みたいじゃん。まあ良いか。この曲のコード進行をお借りするよ、渡口君!!※編注:『南風のマーチ』作曲の渡口公康氏。

 4小節イントロが終わって、 第一マーチ([A]〜)の最初の8小節を見てみよう。この8小節は、4小節ずつの対話になっているね。メロディ・ラインもそうだし、コード進行もそうなっているんだ。渡口君、なかなかやるね。
 さあ、コード進行から、ここの部分の色使いを見て行こうか。この曲はB♭ Major、つまり変ロ長調やから、変ロ長調の音階の上に出来るコード(変ロ長調のダイアトニック・コードというんやけど)が、この曲のコード進行の基本になるコードというわけ。
 [A]の部分は、B♭→Am・D7→Gm→Dm→E♭・F7→Dm7・G7→Cm・C7→Fという進行になっているね。ここでまた、前回登場のQ太郎君(以下)、またまた登場でーす。
 
「あれぇー、変ロ長調のコードと違うのんが、センセ、ギョーサンあるやんか?」

「そうや、その曲のダイアトニック・コード以外のコードをチョイト使って、思いをこめたり、色彩を豊かにするんや。そのやり方は一寸後にしてさ、ダイアトニック・コードを確認して、コード進行の核を掴んどこか。」

「そうですね。アタマのB♭、それからGm・Dm・E♭・Cm・Fですね。」

「そうそれで、機能的には、という基本進行を構成して、最後のF()で半終止というて、一寸立ち止まったという感じだね。」

「ほな、前半の4小節はトニックですか。」

「そうや。1度・6度・3度 と主人公のが続くんや。つまり主題の《春を告げる風が吹いて》という春風の姿を描いているんやね。」

「続くE♭からはCm→F(ということで、《何か湧いて来る自分の気持ち》ですか。」

「E♭→Cmはやから、楽しさ・幸せ・ウキウキ感やね。」

「ほんで、このダイアトニック・コードの前に置かれたそのほかのコードは、そのダイアトニック・コードを引き立てるんや。センセ、一寸解って来たわ。」

「そうや。アタマええなぁ。よっしゃ、ほんならどんなコードをどう置いたらええか。教えようか。」

 スミマセン。時間が来てしまいました。次回をお楽しみにして下さい。和声は、ダイアトニック・コードとそれを引き立たせるコードからから出来ていることを、アタマに入れておいてね。

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音楽の常識「コード進行」2

2:コード《和音》の続き
 「コード(和音)」の基本は、音階の7つの音の上に、3つの音(つまり音階の音+あと2つ)を3度ずつ積み重ねた「3和音」というコードや、と云うことはアタマに入ったかな。そして、その7つのコードは、という性格(機能)を持って繋がって行くのんや、と云うこともね。(→前回の記事はコチラ

 さて、この「3和音」なんやけど、例えば主人公《ドミソ》は、ドラマの筋書きの中で、《ドミソ》のままだったり、衣装を変えて《ドミソシ》で登場したりするんや。《ド》から3度・3度と積んで、3つ目の《ソ》の上に、もう1つ3度上の《シ》を積んだと云うわけ。《ドミソ》と同じ役割()のコードなんやけど、この衣装で雰囲気がかわるんやな。このとき和音は、4つの音になってるさかい「4和音」と云いたいところやけど、この《シ》の音は、《ド》(この基本の音を「ルート」ちゅうことも、覚えといて)から7度上の音やから、「セブンス・コード」ちゅうんです。



 ここで、一寸ばかし勉強したと云う、Q太郎君(以下)の登場。

Q「センセ、3度ずつ積むとか7度上やとかオッシャッてますが。3度云うたって、長3度と短3度(※編注)があるのんと違いまっか ? 」
「エエとこ勉強しとるな。音楽の時間、目も耳も開いとったようじゃな。カンシン・アッパレ」
Q「《ドミソ》と《レファラ》やったら、積み重なってる3度が違いますね。」
「エライとこまで知っとるんやな。ますますアッパレ。ホナ、違いを云うてみなはれ。」
Q「《ドミソ》は、《ド》の上に長3度上のミ、そのミから短3度上の《ソ》、《レファラ》は、《レ》の上に短3度上の《ファ》、《ファ》から長3度上の《ラ》が積み重なっています。」
「その通り。《ドミソ》みたいに長3度+短3度のヤツを、長3和音と云います。性格はいたって陽気で明るく、顔を上に向けてヨッシャァ!一方、《レファラ》ちゃんみたいな短3度+長3度の方は、短3和音と云うて、もう解るだろう、性格は悲しそうで暗くって、伏せ目がちで、でも優しそうで癒しの感覚もあるし。」
Q「センセ、調べてみました。1度・4度・5度のコードが長3和音、2度・3度・6度のコードが短3和音や。でもセンセ、最後の7度のコードがどっちにも当てはまらんのどすけど。」
「そやな。《シレファ》は短3度+短3度になっとるしな。そんなコードは、減3和音って呼んでいます。」
Q「解りました。センセそしたら、セブンス・コードは、それぞれのコードに、長3度か短3度を積み重ねているのや、と理解したら良いんですね。」
「そうやそうや。そうやって、色彩感・色合いの違った、中間色のコードを創って行ったんやな。ホナ、いよいよそんなコードを使って、色んな感じのコード進行を創ってみようか。」
 
 ここからは、コード進行の実践に入ります。各コードはコード・ネームで書きますから、コード・ネームの良く理解出来ていない人は、手元にコード・ネーム表をご用意して下さい。

 まずは、
【超基本のコード進行】G7

 学校(F)へ行って帰り道(G7)、そしてお帰り(C) 、と云うわけで、日常と云うか、平凡と云うか、堅い・カタイ ! カチカチのコード進行ですね。
 
 それでは、たまの休日やさかい、ジャケットを着替えて、行き先コードを入れ替えて歩いて見ようか。次回は、そんなお遊びコード進行です。

※編注:二つの音の間に半音が3つの場合を「短3度」、半音が4つの場合を「長3度
」と呼ぶ。

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音楽の常識「コード進行」

1:コード《和音》
  コンクールの課題曲も発表されて、また吹奏楽の季節が、一足早く聴こえて来たね。以前「歌うこと」ということで、音楽の常識をスタートさせたこと、記憶に残っているかな?今回から少し、その続きを話そうかなって。これから4・5ヶ月取り組むコンクールの曲にしても、その正体が掴めたら、より面白くなって来ると思うよ。楽曲分析いうたら、エライ大げさに聞こえるけど、やはり相手を知るっちゅことは、大切なことやんか。彼女のこと、彼氏のこと、ヨオケニ知りたいやろがな。
 
 これからの話は、音楽の色合い・雰囲気・性格・情感・意思……、を創って行く「コード進行」の話です。こいつが読み取れると、それだけでこの曲へのアプローチが、俄然こちらのものになるんだなぁ。逆に、もしもだよ、君がこのコード進行を自由にあやつれたら、そりゃぁもう作曲家への扉は開かれているんじゃ。
 さて、コード進行の始めの一歩は、コード進行を創って行く役者さん、「コード」つまり「和音」の話から、始めようか。音程の異なった音が、同時に2つ以上鳴ればそれは和音と云えるんじゃが、2つでは確かに1音よりフックラと聞こえよるが、メロディが少し膨らんだ(おお、はもっとる・ハモットルみたいな)感じで、性格とか・背景とか・色彩感までは行かんわ。で、3つ以上の異なる音が、同時に鳴り響いた時、「和音」って云うんや。異なる音が3つのとき、「3和音」ちゅうんや。ホナ、4つやったら「4和音」かい。それがちゃうねん。だから、ヤヤッコシイ。これについては、少し後でね。

 音楽の基本は、音階にあり。「和音」は、この音階の上に、3度ずつ積み上げた「3和音」が基本になります。つまり、ドの上にド・ミ・ソ、レの上にレ・ファ・ラ、ミの上にミ・ソ・シ……です。ですから、1つの調(ハ長調・ニ長調とか)は、7つの基本になるコードを持つことになるね。この基本になる7つのコードを、その調の「ダイアトニック・コード」と呼びます。
 
 そして、その1つ1つのコードは、調という舞台で活躍する、役者さんであります。ド・ミ・ソは、1度の和音と呼び(名は「トニック(以下)」)、何と云っても主人公です。
 
 次に大切なのが、ソ・シ・レ(ソ・シ・レ・ファで登場することが多い、何故か?アトデ)で、5度の和音(名は「ドミナント(以下)」)、主人公の信頼厚いブレーンです。
 
 それに、ファ・ラ・ド、4度の和音(名は「サブドミナント(以下」)、主人公とは少し変わった性格の、だけど良い仲間だ。
 
 あとの 4つのコードは、まあ脇役なんだけど、Tの代理和音3度・6度)、Dの代理和音7度)、Sの代理和音2度)として、結構活躍するのです。
 
 さあこのコードたちは、どんな順序で登場するんでしょうか。の順が一番多いかな。あと、となるかな。
 これ以外ないやんか。この4つの流れしかないのんに、何で色々仰山な曲がでけるんや。そこや。Tいうても姿を変えた、Tが登場しよるから、ドラマがオモロウなって行くんや。
 
 次回は、変装したの話。

 別のお話ですが、関西では初めての「関西吹奏楽ゼミナール」が3月19・20日、大阪で開催されます。ウィンズスコアさんのご協力で、僕も楽曲分析の講座を担当します。お会い出来れば、嬉しいですね。

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音楽の常識「歌うこと」4

4:フレーズの歌い方

 和声(コード進行)がガイドとなって、適確なフレージングが確保できる。ここまでの常識は、理解できたかな。身に付くまでには、多少時間がかかるけど、僕の歳まではかからへんから安心や。とにかく、適確なフレージングが出来るようになった、として話を続けます。
 
 じゃあ、そのフレージングされた、1つ1つのフレーズをどう歌って行くんや、ということですね。つまり、旋律の歌わせ方。フレーズの中には、カァーッと情感を込めて行かんならんとこがあるわな。作曲家がそういう気分で書いているんやから、そいつが分かれば良いんや。
 それは、そんなに難しい話やなくて、フレーズの中の最高音に現れるんです。その音をフレーズの重心と云います。
 その重心に向かって、高揚して行くわけなんですが(この部分をアナクルーズ云うてます。本来はアップ・ビートのこと云うんですが。)、ゆるやかにクレッシェンドして、アッチェレランドをかけて行きます。これで気分が高揚して来るわけやな。
 そして、重心の音にはテヌートをかけて、「ドウヤ!」と聴き手に投げかけといて、フレーズの終わりに向けてディミヌエンドしながら、リタルダンドをかけます(この部分はデジナンスと云います)。
 といった歌い方が、旋律の常識としといてね。

 もう一寸云うと、重心に向かう時はヴィブラートの回数・振幅を上げるちゅうこともあるんやけど。
 また主旋律に対して、カウンター・メロディ(副旋律)を持っていることがあるね。この場合、両旋律の歌わせ方が違ってくるね。それが上手くからまって、立体的な音楽が出来るんだよ。皆んなが寄ってたかって、盛り上がって行くことはありますが、よほどユニゾンでやるとこでない限り、色々な要素がからまり合いながら、それぞれが盛り上がりながら、進んで行く(一寸難しい!)のが音楽なんや。

 旋律の歌わせ方って、こんなことや。こんな常識を皆んなが持っていてくれたら、合同演奏のときなんか、一発でピタッときまるんやけどね。

 さあ次は、和声(コード進行)の歌わせ方や。和音(コード)は、音が合ってるかだけに終わってへん?次の和音にどんなふうに移っとるか、チャント和声に従って進んどるか?そんなこと、考えてへんのんと違う?

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音楽の常識「歌うこと」3

3:終止形(和声法・コード進行法)〜その弐

 さあ、T・D・Sの正体の話に移ろうか。
 その前に、西洋音楽の仕組みを、もっとも簡単に云うなればだ、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドという音階で描かれた線画に、その音階の上に作られた和音(コード)によって色づけされたもの、ということをアタマに入れとこか。その音階の上の和音(コード)というのは、つまりだ、ドの上やと[ドミソ]、レやったら[レファラ]と云うように、3度ずつ重ねて作って行くんや。これがコードの基本形なんだよ。この基本形にどんどん3度上に、積み重ねて色彩豊かなコードを作って行くんやけど、その機能は変わらへんからね。
 
読者「何で3度ずつやんねん。」
「するどいツッコミやんか。そやけど、それはチョイマチや。それは音響学と西洋音楽の歴史を話さんならんさかい。またその時まで待ってくれへん?今のところ、とりあえず、ということで許してね。」

 さて、音階の上のコードは、[ドミソ][レファラ][ミソシ]の順に、1度・2度・3度 ……7度、と呼ぶんよ。その性格(機能)は、1度(T)・2度(S)・3度(T)・4度(S)・5度(D)・6度(T)・7度(S or D)なんだな。その曲のコードを順に調べて行ったら、その部分のコード進行がつかめるね。例えば、T→D→T→S→D→T→S→Tといった流れが浮かび上がってくるんや。そして、Tのところが、フレーズの納めどころのガイドとなるんです。ただ一つ、半終止いうて、Dで段落を付けて、つまり、いったん気合いを入れ直して、と云うヤツがあることはある。
 
 『汐風のマーチ』の[A]からの第1マーチなんか、[B]までの8小節が、T→S→D→Tで構成されているんやから、大きくフレージングしないとあかんな。2小節目の3拍裏から、オカズみたいに入ってくるヤツに気をとられて、2小節目の3拍でブチッと切っちゃったり、そんなんナシですわ。
 
読者「センセ、そんな長ーいフレーズ、一息に吹けへんやんか。」
「アホか。フレーズとブレスは別やんか。フレージングとブレスをイッショクタにしとったらあかんわ。4小節目の4拍目でちゃんとブレスが出来るように、してくれたはるやないか。こういった大きくフレーズを取るとき(フレージングの中でブレスしんならんとき)はね、クレッシェンドしておいて(まだこのフレーズは続くんやぞ、と見せといて)、続けて行くんがコツや。」

【今回の注:音階の上に出来るコードだけでなくて、そのコードを際立たせるために、他の音階のコードを使ったり、そのコードの代理コード(音色の似たコード)を使って行くこともあります。】

 ではいよいよ、フレーズの中での歌わせかたを次回に。

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【ウィンズスコア編集部より】
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