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課題曲の中の3つの課題・2013(その4)

(※編注:本記事は櫛田先生のFacebookページに掲載された内容を、加筆・修正したものです。)

IV. エンターテインメントマーチ(川北 栄樹)

 幸せ・楽しみあふれる、ストリート・パレード用のマーチでしょう。設定されたテンポを、少し落として、パレードに合った早さが、曲想の表現にも良いのではないでしょうか。この曲は、美しく流れる旋律が、構成の中心・主体となっています。旋律ラインをとって行く、パート・セクションの歌い方が、この曲の演奏表現の主体を作り出して行きます。フレーズを生かすのは、付点音符のある部分のレガートと、軽いスタッカート、といった一寸した部分の感性の細やかさで、このポップ感覚のマーチを、歌うことが出来ます。
 とは云っても、なかなかの曲者と云うか、余程考えて(コンクールと違ったら、手直しするのですが……)取り組まないと、なんとなくやってしまうと、不自然さが残って、グレードの低い演奏に評価されてしまいます。落とし穴だ !!


(1)適確なテンポ設定で、聴衆と一緒になって、乗って行ける楽しいマーチにしたいのですが
  
 全体にわたって、ベース・ライン(前打ち)と、Hrn.・Trb.の後打ちが、明確に設定されています。このリズム表現が、絶対的にこの曲の核になります。この2つのセクションのコンビネーションは、徹底的に創り上げて行きます。例えば、Aの2小節目から3小節目にかけてのベース・ライン1つ取り上げても、この不自然さを解消する手だては、なかなか難しいです。
 C の刻みも、不自然です。しかも、4拍子の中に、突如、2拍子が入ってくる、しかも、刻みは続いている。どうしましょう。
 Trio のリズムも、この速さのテンポでは、1拍目ウラからの4分音符の味(長さ)が出ないです。
幾多の困難を克服して、乗って行ける楽しいマーチに、導く指導者の腕と、バンドのセンスが、試されるのでしょうか。グレードの低いバンドは、より低く、それなりのバンドは、平凡な演奏に、なってしまう危険性大です。
 

(2)フレーズを大きく捉えて、広がりのある音楽にしよう あくまでも戸外の音楽です

 第1マーチでも、レガートとフレーズを混同することもなく、4小節・4小節のフレーズを、しつかり作って行きます。第2マーチも同様に、6小節・4小節のフレーズです。Trio 細かくフレーズが分けられているようですが、F 全体・G の全てを捉えた、空へ向かって広がって行く、胸を広げた大きなフレーズを試みて下さい。細かく分けられたフレーズを意識して、短く言葉を切ったようなフレーズは、絶対に避けましょう。


(3)各部分のオーケストレーションを意識して、色彩感のある輝きを作り出そう

 マーチを結んで行くブリッジの部分は、マーチの演奏では色彩感を持って、ドラマティックに仕上げたいですね。D は、その見せ場・聞かせどころです。D 後半の ファッと浮き上がる cresc. Trp.の輝き、前半のクライマックスです。Trio H でのブリッジにも、ドラマティックなオーケストレーションが待ち受けています。Trp.のオクターヴ・ユニゾン、木管群の 7連符からのトリル、Hrn.のグリッサンドなど、見せ場を持って、最後は、molto allargando から a tempo とこの格好良さ !!

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【ウィンズスコア編集部より】
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