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沈黙……そして生還

 6/9のブログで、私が「未破裂脳動脈瘤」を持っていること、これはいつか破裂して、死に至ることをお話いたしました。そして、その「未破裂脳動脈瘤」の破裂を防ぐための手術を受けること、そしてその準備に掛かっていることを、お話しました。

  ご報告いたします。世に「神の手」と呼ばれておられる、素晴らしいドクターにお会い出来、そのドクターひきいる医療スタッフの方々の、技術と使命感あふれるご努力のもと、未破裂脳動脈瘤の破裂を予防する手術に成功いたしました。また。皆様方と同じフィールドに立って、ご一緒にお仕事が出来ますこと、大変幸せでございます。

 全身麻酔で沈黙を続ける中、足の付け根から動脈に入れられたカテーテル(手術用の管)が体の動脈を通り、頸動脈を通過し、脳に到達します。その距離1.5メートル。
 そこで、そのカテーテルに仕込まれた第2の細いカテーテルが、脳の動脈に添って患部に向かいます。脳の細い入り組んだ、間違えば何らかの機能障害を引き起こす「脳動脈」です。もう許される誤差0.01ミリの世界です。これをモニター映像で捉えながら、スタッフがタッグを組んで実行するわけです。こちとらの、アンサンブルがどうの・ハーモニーが濁る・アタマが合ってない、なんていうヤワな話ではありません。

 そして、動脈瘤の入り口に達します。いよいよ、カテーテルに仕込まれた、プラチナのコイルが抜かれ、動脈瘤の内部に埋め込まれて行きます。1本目のコイルが入れば、次々その中に2本目・3本目のコイルというように埋めて行きます。これで、動脈瘤の中に血液が流れ込まないようにするわけです。
 3時間の沈黙の中で、全ての生活が止まり、人口呼吸器によって生命が保たれ、この命の儀式とも云える手術は終わりました。

「櫛田さん、終わりましたよ。」のドクターの声が遠くから聞こえ、「生還したな」という感覚が体内を巡りました。

 また、仕事が出来る、この実感は、人生の幸せを再び呼び起こしてくれました。復帰した・復帰できたと云ってしまう以上のものがあります。まさに、「新生」です。新しい何かが、湧き上がって来る思いです。

 ドクター・医療スタッフの方々の、ものすごい技術と使命感で、新生することが出来た今、支えられ応援して頂いた多くの方々への感謝の心を持って、次の作品に取り組みたいと思います。勿論、ブログも音楽理論・音楽批評を中心に書き続けます。よろしく、ご支援下さい。

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【ウィンズスコア編集部より】
下のコメント欄(comments)にて、櫛田先生へのメッセージ・質問等を受け付けております。後日まとめて、先生にお返事していただきますので、疑問や悩みをぶつけて下さい!


音楽の常識「コード進行」6

6:2度のメジャー・コードの活用

 セカンダリー・ドミナント7thコードの活用から、コード進行に色彩感・豊かさ・情感が広がって来ることが、理解出来たと思います。また、そこをポイントにスコアを読む事で、演奏がグッと豊かな流れになるのです。
 さて、ハ長調の5度・G7(ドミナント)のコードのセカンダリー・ドミナント7thコードの D7 は、前回ちょっとだけ話しましたように、セカンダリー・ドミナント7thコードとして機能する以外に、独立したパーツとしてコード進行に組み込むことがあります。通常、2度のコードは、音階の<2・4・6度音>で構成しますから、短3和音がベースで、マイナー7th・マイナー7thフラット5 といった形で使われるのですが、この場合(D7)、4度を半音上げた構成<2・#4・6度音>という長3和音がベースとなります。そう、2度のメジャー・コードと云えます。

Q太郎(以下Q)「思い出しました、センセ。いつでしたかな、アッツイ夏の日、センセとギターでビートルズやって、ここ格好エエワ、言うて。」
「ナンチュウたって、ビートルズは『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』やで。」
Q「と言うては、あのスゴイLPのジャケットを見せびらかしたはったな。」
「あのジャケットの観客の中に、シュトックハウゼンが居るのん知っとったかな。」
Qボブ・ディランアインシュタインはわかるんやけど。」
「お前さんは、ダブルA面シングルの『Day Tripper』がエエちゅうて、アタマの2小節のリフばっかりやっとったね。」
Q「センセかって、アンコールの『A Day In The Life』ばっかりやったでっせ。」
「ほんで、D7の話やが。『Day Tripper』に出て来よるな。」
Q「解るわ。7小節目からの E7→F#7→A→G#7 ちゅうとこに出て来よる F#7 ですね。」
「そうや。解り易くハ長調で云うと、C7→D7→F→E7 となるんやね。この2度メジャー7th は、4度や2度・6度と組み合わすとエエねんやな。」

【C→D7→F→C】
『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』のアタマ、でブルースやR&B の定番でーす。
【C→D7→Am7→Dm7→G7→C→D7→F major7→Am】
もうエエか。こんなコード進行で、マーチ書いてみません?
 
 スミマセン。今回は、Q太郎との雑談が多くって。いえいえ、センセのビートルス談義が聞きたいって?ホンマ?ほな機会みつけやっちゃおうか。それとも、ビートルズ・ナンバーをアレンジしょうか。それとも、曲目募集から行こうか。
 ではまた。次回は代理コード(ウラ・コード)の話しょうか。

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【ウィンズスコア編集部より】
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音楽の常識「コード進行」5

5:セカンダリー・ドミナント7thコードの活用法

 さあ、前回セカンダリー・ドミナント7thコードのお話、理解できたかな。その調のダイアトニック・コードによる進行を、より豊かに・色彩的に演出するパーツなんじゃ。とくに、旋律が情感豊かなときほど、バチッと来るんや。C Major(ハ長調)で、もう一度やっとこうか。
 C Majorのダイアトニック・コードは、C・Dm(Dm7)・Em(Em7)・F(F Major7)・G7・Am(Am7)・Bm7(b5)やから(音楽の常識2参照)、Cはセカンダリー・ドミナント7thやなくて、もともと5度のドミナント7thコードのG7が居るし、7度のBm7(b5)は解決せーへんコードやから、この2つは除いて、それぞれのコードへ完全4度上行(完全5度下行でもエエ)する7thコードちゅうわけで、DmへはA7EmへはB7FへはC7G7へはD7AmへはE7と云う事になるんやな。そうして、そのヴァリエーションの一つとして「two-five」ちゅうやつを使うんやったな。
 じゃあ、1つ想い入れタッブリのコード進行を一つ、これで来年の課題曲を書いてみるか。
 
 C→E7→Am→C7→Fmajor7→Em7(b5)→A7→Dm→D7→G7

まあこんなとこか。
どのコードが、セカンダリー・ドミナント7th で、どこが two-five か解るかな。

Q太郎「センセ、6つ目の Em7(b5)は、Emでエエノンとちゃう ?」
「ヤッパリ、来よったか。そうや、Emや Em7 でエエンや。けど、短調(minor)の2度のコードは、マイナー7thフラット5 の構成になるんやから、two-five の進行では、その行く先のコードがマイナーのとき、m7(b5) にすると、なんちゅうか、よりノスタルジックになるんやね。どう。」
Q「D7→G7 のとこの D7 のコードをドッペルや云うてたヤツが居りましたよ。アイツ、音大へ行っとったかな。」
「そうか。まだドイツ語かいな。何やエライみたいに、音楽でドイツ語を使うなんて、もう古いんじゃない。僕らの業界では、全て英語で行こかって云うてるのんや。まあ、エエ。G7 は、5度のコードで機能はドミナント、それに進行する D7 は、セカンダリー・ドミナント・コードやさかい、ドミナント・コードが2重になるんで、D7 のことをドッペル(doppel:ドイツ語)・ドミナントと呼んでいるんや。英語で云うたらダブル(double)・ドミナントちゅうわけ。セカンダリー・ドミナント・コードのこと、日本語では一応〈副属七の和音〉と呼んでいます。」
Q「セカンダリー・ドミナント7th・コードにしても、two-five で使うコードも、センセ、全部よその調の5度のコードやったり、2度のコードですやん。」
「お前、いつの間に、そんなスルドクなったんや。その通り、よその調の5度であり、2度であるんや。そやから、借用和音ちゅう呼び方もありますねん。」
Q「セカンダリー・ドミナントへ、ドミナント・モーションでアプローチするコードを、置いたらあかんのん?」
「お前、色んなこと考えるな。そうや、そら有りや。Dm へ、E7→A7→Dm と行くんやな。この E7 のコード、イクステンド・ドミナント7th と云うんやけど、これをどんどん使って行くと、どんどん調性が希薄になって行くから、まあ使いようかな。」

 Q太郎君、僕の目を盗んで、色々勉強しているようです。今日もこのあと、話が弾みました。とくに D7 の使い方で、セカンダリー・ドミナント7th と違った使い方のアプローチを云い出しました。このことは、次回に。それではまた。

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【ウィンズスコア編集部より】
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6月のお返事です

>ある学校の顧問さん
 ポイントは、ストーリー性を持った中での、情景・シーン・イメージが鮮明に表現されることです。戦闘場面だったら、どんな激しい闘いなのか、愛のシーンだったら、2人がどのように愛して、どのような状態なのか、といったように。

>真由子さん
 私自身、色々質問して頂く度に、実は色々と勉強になるのです。色んなことを考えながら、想像豊かに、楽しく練習して下さい。

>眞さん
曲についてのの情景等をできるだけ詳しく教えていただけませんか?
ですか ? このブログのページで、でるだけ詳しくと云われても、眞さんだけのスペースでもないし、チョット無理ですね。それよりも、貴方は演奏ということを、間違って捉えていませんか?演奏活動は「再生活動」でなくて「創造活動」であると、しっかり捉えておられますか?
 作曲家は、楽譜でもって語りかけているのです。ですから、楽譜からイメージ・感性を読み取って、自ら創造の翼を広げて行かないと、感動的な演奏を創り出すことは出来ません。もっと自分で、情景を想像して、表現を創造して下さい。

>愛さん
 日本のバンドであるのに、和太鼓を持っているバンドがまだ少ない、という理由です。やはり和太鼓を使用したい、ということであれば、遠慮なく使って下さい。勿論、使い方・挿入の仕方は、こう思う・このようにしたい・これが格好良い……、と思われるままにやれば良いと思います。
 音楽に大事なことは、創造力・創造性です。良い演奏・感動的な演奏は、全て独創的です。『火の伝説』でも、沢山の演奏があります。

>KAEさん
 『日本の旋律による三つの情景』は、題名の通り情景を創り出すことが大事です。指定のタンギング、強弱、テンポについていけなかったりで大変なところもあるようですが、出来る範囲で無理なく表現することが大切です。多少の・テンポ・アーティキュレーションの変更は仕方ないと思います。頑張ってというより、表現の確かさに工夫をして下さい。

>葉月さん

soloの最後の部分、ソ♯からラにかけて、音を変える際に、口で音程を変えて演奏している団体があるのです。口で変えるのか、キーで変えるのか、どちらが正しいのでしょうか…。
どちらでもOKです。演奏者がどのように感じて、どのように表現したいのか、が演奏行為で最も大切なことです。作曲者の書いた台詞を、貴方はどのように表現したいのですか?ここが大事な所なのです。作曲者の視点は、楽譜に書いてある通りです。他の演奏を聴き比べても良いですが、自分で読み取って、自分で考えて見なさい。感じた通り、思った通り、イメージ通りやりなさい。音楽には、こうしたらアカンとか、こうしないとアカン、ということは一切ありません。
 私が「アカン」という言葉を使うのは、演奏者が自分というものを持っていないときです。

>奈良和美さん
 災害とは、自然の中に生きる、自然の恵みの中に生きる人間が、自然の恵みを改めて感じなければならないのではないでしょうか。自然災害と云いますが、自然は何も悪いことをしたわけではありません。地震だって、津波だって、自然にとっては自然なのです。自然の恵みに対する思いを、もう一度心にして、自然の恵みに生かされている身の幸せを感じましょう。音楽が出来る幸せも、いわば自然の恵みです。東北地方の方々のこれからの道は、「復興」ではありません「新生」です。「祈り」ではありません「創成」です。私たちもそのために……。

>北沢凜さん

 コンクールまで1ヶ月でしょうが、1ヶ月の中で、自分達の一番やりたいことをやれば良いですよ。音楽に最後はありません。今、音楽を通してやりたいことは何なのか。このことを皆さんで共有して、毎日を楽しんで下さい。

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【ウィンズスコア編集部より】
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音楽の常識「コード進行」4

4:コード《和音》を引き立たせるコード
 前講義で、その調の本来のコード(ダイアトニック・コード)が、どのように設定されているかは理解出来たかな。《春を告げる風が吹いて》《何かが湧き上がって来る自分の気持ち》といった主題が、[A]の部分のダイアトニック・コードB♭→Gm→Dm→E♭→Cm→Fという形で、きちんと設定されているんだな。ホントに良く勉強されているよ。機能的には、という基本進行を構成して、最後のF()で半終止するという、全く教科書通りの進行だな。(優秀・花マル)

  さて今回はじゃ。そのダイアトニック・コードの間に設定された、ツナギのようなコードについてのお話です。ダイアトニック・コード以外のコード(ノン・ダイアトニック・コードと云います)をチョイト使って、ダイアトニック・コードに思いをこめたり、色彩を豊かにしたり、つまり本来のコードをグゥーンと引き立たせるんや。言葉を豊富にして、より以上の感情移入をしょうという、カラフルな演出やな。

  そのノン・ダイアトニック・コードの定番ネタの一つが「セカンダリー・ドミナント7thコード」なんじゃ。そもそもドミナント7thコードからトニック・コードへの進行は、最も安定感のある進行で、ドミナント・モーションと呼ぶんじゃが、こいつをダイアトニック・コードに使ってみよう、というアイディアなんだ。つまり、各ダイアトニック・コードを仮のトニックとしといて、それに向かってドミナント・モーションして行く仮のドミナント7thコードを設定しようやんか、というわけ。
 [A]の部分の、B♭→Am・D7→Gm→Dm→E♭、F7→Dm7、G7→Cm、C7→Fという進行の中やったら、D7・G7・C7 や。それぞれ、次に来る Gm・Cm・F を引き立たせるちゅうか、思いを込めたというか、流れるように進行するんやな。

Q太郎(以下Q)「ドミナント7thコードって、スゴイですね。」

「そうや。トニックに対する支配力みたいな、どないと動かす力があるんや。まあ、ウチのかみさんみたいなもんやな。」

「さあ、そしたらあと残りのAmの正体はなんですねん。」

「これはじゃな、D7というセカンダリー・ドミナント7th・コードを、2つに分けて、つまり細分化することで、より細やかな感性を与えるという、いうたら1つのバリエーションやな。」

「ナント。Gmへ進行するのに、こないな気持ち、よろしいな。」

「この分割のモトネタ解る?」

「ダイアトニック・コードの 2度・5度・1度 の進行、センセがしょっちゅういうてる、SDT でっしゃろがな。」

「そうや。Amは仮の2度で、D7が仮の5度で、ちゅうことや。」

「ほんで、これをツー・ファイブちゅうねん。」

「お前、知っとったな !! 」

 今日はここまでにします。また次回、 Q太郎君と一緒に。

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【ウィンズスコア編集部より】
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5月のお返事です

 課題曲の中の課題2011も、ウィンズスコアさんのご協力を得まして、PDFでダウンロード出来る素晴らしいサイトで、皆様のもとへ発信・ご提供できました。コンクールの課題曲を通して音楽の勉強をして欲しいという願いから、ビジネスを超えて発信・ご提供させて頂いております。ぜひ活用して下さい。

 さて、5月のお返事に入りますが、その前に、私の事で恐縮なのですが、少し情報が混乱・一人歩きしてしまって、いささか困っておりますので……。
 実は、4月の人間ドックのMRA検査で、脳動脈瘤が発見されました。これは破裂して脳内出血になる確率は高いものでなく、私の年齢から云えば余命との勝負ですが、医師は私のことを考え手術して治療して、少しでも長く生きるように判断されました。そこで、現在そのための準備期間に入っております。とくに、以前から糖尿病でありましたから、血糖値のコントロールを長い期間安定させなければなりません。家庭で日常的に生活を送りながらの経過観察の毎日です。
 こんなところなのですが、それがどうしてか「入院した」「手術した」……といった、情報が一人歩きして、そのためか多くの方々にご心配をおかけしています。お見舞いに来られたり、色々ご心配して頂くこと、大変有り難いのですが、悪いなぁと思っております。勝手なようですが、その辺りよろしくご理解頂きまして、ご心配して頂くお気持ちだけで充分でございます。当分はお見舞い・伺いなど、ご遠慮申し上げたいと思っております。よろしくご配慮の程、お願い申し上げます。結果終わりましたら、皆様にきちんとご挨拶させて頂く所存でございます。

 さて、それでは本題の方へ。

>ジョージさん
 「エルザ」というのは、多分、ワーグナーの『ローエングリン』第2幕の『エルザの大聖堂への行列』の事だと思います。楽曲は、極めて劇的に出来ていますから、フルート・クラリネット・オーボエのsoloは全て、感情が次第に高まって行く、長いフレーズの流れが大切です。勿論、音色は優雅さを持ち合わさないと、どうにもなりません。静かだけどしっかりとした、説得力を持った演奏が期待されます。合唱の入った原曲を聴いて、全体を把握した上での演奏になると思います。編曲は、ルシアン・カイリエ版、原曲模範演奏は、アバド指揮のウィーン・フィルがお薦めですよ。


>真由子さん
 日本の5度の和音は、両方の音が同じように鳴っていることが大事です。その点では、西洋の音楽の3和音とは違います。主旋律に対する和音が、鮮明に聞こえて一体化している必要があります。この曲は、京都の伝統的な「火」にまつわる行事を題材に、日本人の心を描いたものです。
あの曲はなぜ盛り上がって→フルートのソロ→クレッシェンドで終わるのですか?
盛り上がってからのフルートは何を表現してるのですか?

そこは、大文字の送り火が静かに消えて行く場面を表しています。


>しばたさん
 『日本の旋律による三つの情景』の主題は、民謡のように聞こえますが、日本の伝統音楽の民謡音階を使った、私の創作・オリジナルです。別の『東北地方の民謡によるコラージュ』という曲と混同されているのではないでしょうか。

>まりりんさん
 『元禄』の[B]と[O]の曲の盛り上がりの違いは、[B]は賑わい・華やかな風俗といったもの、[O]は江戸の祭り・町衆の心意気、です。華やかさと力強さ、といえば良いでしょうか。

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音楽の常識「コード進行」3

3:コード《和音》の流れ
 前講義【超基本のコード進行】G7)は、一応アタマに入ったかな。それでは、この基本形からどのようにストーリー性のある流れが出来て行くんやろか。今回は少し難しいかも知れんが、まあクイズ・ゲーム感覚でついて来てね。

 課題曲4の『南風のマーチ(Spring Breath March)』格好いいね。この英文のタイトルの方が似合うよ。「南風」なんて、吹っ飛んでしまいそうな力士のしこ名みたいじゃん。まあ良いか。この曲のコード進行をお借りするよ、渡口君!!※編注:『南風のマーチ』作曲の渡口公康氏。

 4小節イントロが終わって、 第一マーチ([A]〜)の最初の8小節を見てみよう。この8小節は、4小節ずつの対話になっているね。メロディ・ラインもそうだし、コード進行もそうなっているんだ。渡口君、なかなかやるね。
 さあ、コード進行から、ここの部分の色使いを見て行こうか。この曲はB♭ Major、つまり変ロ長調やから、変ロ長調の音階の上に出来るコード(変ロ長調のダイアトニック・コードというんやけど)が、この曲のコード進行の基本になるコードというわけ。
 [A]の部分は、B♭→Am・D7→Gm→Dm→E♭・F7→Dm7・G7→Cm・C7→Fという進行になっているね。ここでまた、前回登場のQ太郎君(以下)、またまた登場でーす。
 
「あれぇー、変ロ長調のコードと違うのんが、センセ、ギョーサンあるやんか?」

「そうや、その曲のダイアトニック・コード以外のコードをチョイト使って、思いをこめたり、色彩を豊かにするんや。そのやり方は一寸後にしてさ、ダイアトニック・コードを確認して、コード進行の核を掴んどこか。」

「そうですね。アタマのB♭、それからGm・Dm・E♭・Cm・Fですね。」

「そうそれで、機能的には、という基本進行を構成して、最後のF()で半終止というて、一寸立ち止まったという感じだね。」

「ほな、前半の4小節はトニックですか。」

「そうや。1度・6度・3度 と主人公のが続くんや。つまり主題の《春を告げる風が吹いて》という春風の姿を描いているんやね。」

「続くE♭からはCm→F(ということで、《何か湧いて来る自分の気持ち》ですか。」

「E♭→Cmはやから、楽しさ・幸せ・ウキウキ感やね。」

「ほんで、このダイアトニック・コードの前に置かれたそのほかのコードは、そのダイアトニック・コードを引き立てるんや。センセ、一寸解って来たわ。」

「そうや。アタマええなぁ。よっしゃ、ほんならどんなコードをどう置いたらええか。教えようか。」

 スミマセン。時間が来てしまいました。次回をお楽しみにして下さい。和声は、ダイアトニック・コードとそれを引き立たせるコードからから出来ていることを、アタマに入れておいてね。

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4月の残りのお返事です

>ぶちょ、ホルニスト(hkb)さん
 音楽の力を語った、僕の想いをご理解頂き、大変嬉しいです。全てそうですが、前向きの姿勢が、生きる力を生み出し、活力となります。
『斑鳩の空』は、映像をイメージして作曲したものですから、演奏はぜひ何か斑鳩地方・法隆寺近辺の写真・動画を参考にして、演奏を作り上げてださい。実際に、法隆寺近辺を訪れてみることも、最も良いことですが。

>まりさん
 『東北地方の民謡によるコラージュ』のとりくみ、期待しております。民謡は、その土地の香りを持っています。永い時間の間に創り出された、人と自然の繋がりを持っています。世界の音楽が、その土地の民謡を土台に、創り出されていることでも、明らかです。ブラームス、チャイコフスキー、バルトークなどなど。地方を想い、自然を想い、演奏して下さい。

>北沢 凜さん
 和声のテキストですが、基本的には『和声−理論と実習(1)』(池内 友次郎 他著・音楽之友社)を読んで下さい。和音の各声部の配置が理解出来ます。実習の課題を、バンドのパートに置き換えて、演奏してみることも、一案かとも思いますが。

>市原 繭さん
 学生時代より櫛田先生の作品をこよなく愛し青春時代を過ごして頂き、大変嬉しいです。僕の『東北地方の民謡によるコラージュ』を想い起こして頂いたことも。また、オーケストラでの演奏のお考え、大変興味あります。私の作品はどちらかと云えば、オーケストラ的と云えます。オーケストラで作曲したものを、吹奏楽に編曲したように考える、欧米の方が大勢おられます。吹奏楽なのですが、ベースにオーケストラがあるようです。僕の吹奏楽には、やはりオーケストラ的な色彩感を求めているのでしょか。欧米で『飛鳥』もオーケストラで演奏されているようです。フルオーケストラの曲を書いてみては、というお話もあるのですが、僕はやはり吹奏楽が好きなのです。オーケストラのように色彩感のある吹奏楽を、作曲して行きます。『東北地方の民謡によるコラージュ』を管弦楽版にて演奏してみて下さい。編曲については、JASRACを通じて、僕の許可が必要です。また、管弦楽版への編曲譜のチェックは、作編曲のレッスンの一つとして受講して頂けては、と思いますが。

>えりかさん
 アンコンで、『イントロダクションアンドダンス No.2』を演奏して、地区大会グランプリ、県大会銀賞だったことを、良い思い出にして下さい。

>まゆこなさん
  Maracasで「風のように、」とあるのは、風の「さーぁっ」という音を出すのですが、粒の細かい、サラサラという感じのMaracasを、少なくとも2セット用意します。両手に1セット2個ずつ持って、細かく動かし頭上から腰の辺りまで、ゆっくりと振り下ろします。Maracasが数セットあれば、人数を増やし、演奏場所を離すと効果があります。

>まりりんさん
 『元禄』は、日本の自然の美しさと人の情・力を描いたものです。いま云われている「がんばれ日本」を、文化華やかな、元禄時代に託したものです。日本人が持つ、強さ・繋がり・情といったものを、いま一度見直すことも良いでしょう。冒頭のサックスのソロも、そういう意味で、人に話しかける・訴えかける情感が必要です。このソロ一つで、この曲の訴えが創られます。

>雪月花の演奏さん
 箏用の楽譜はありませんが、周りに直せる人はおられないのでしょうか。僕が箏譜を作っても良いのですが、ウィンズスコアさんとのビジネスとなりますので、少々お金がかかります。ウィンズスコアさんにご相談下さい。箏で演奏している音源は、聴いたことはありますがCDなどで残ってはいません。もし、あなたのバンドが演奏して、それが残せれば、初めてのもになり、注目されると思いますよ。

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【ウィンズスコア編集部より】
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2月〜4月5日までのお返事

 久しぶりとなりましたが、2月〜4月5日の分までまとめて、お返事させて頂きます。
 
>W.O.Tさん
 まずは、志望高校への合格「おめでとう!!!」。そして、部活では吹奏楽部に入ってと、きちっと自分のフィールドを決めて日常を求めている、その前向きの姿勢が嬉しいですね。前を向く・上を向く、この姿勢をいつも忘れずに行こう。
 また、3年間の世界を迎えるわけだ。しっかり楽しもう。音「楽」って云うのだから。楽しむ心から喜びは生まれるものです。楽しみは、素直に笑うことから生まれます。

>極少人数バンドの顧問さん
 まず、少人数バンドとか小編成バンドとか、表現されていますが、このこと自体が間違っていると思います。それは、この言葉なりイメージなりは、あくまで大編成を基準にして、それの小さいもの、というように理解されています。そうではなくて、小編成のバンドは、大編成とは全く違うカテゴリーのものだと云う理解が必要です。ですから、大編成のスコアを、あちこち削って、なんとか辻褄を合わす、と云うことは無意味なのです。
 そこで、自分のバンドの編成・スタイルを、熟知されている、指導者・ディレクターの先生による、スペッシャル・アレンジメントが必要になって来るわけです。小編成バンドほど、特殊な存在になって来るわけですから、レパートリー・アレンジメントもスペッシャルなものになって来るのが当然です。勿論、毎年の編成も変わりますし、部員の力量も違うわけですから、もう大変です(その点、大編成の指導者は、こと演奏に関しては、随分楽ですね)。だけどその分、楽しみも大きいです。
 実は、大学の私の講座でも、毎年ごとに、学生の選択する楽器は異なるし(自由に選択させています)、初心者から(ピアノ・声楽専攻生です)経験者まで、もの凄い格差を抱えてスタートします。私自身は、本当に良い勉強をさせてもらっています。指導者の方も、それだけアレンジメントの力量が要求されるわけです。しっかり、勉強して下さい。小編成バンドのディレクターであることを、良いチャンスにすれば良いのではないですか。
 レパートリーは、セミクラシックと呼んでいる、親しみ易いクラシックを取り上げるのが、良いと思います。モーツァルトの『セレナーデ』とかブラームスの『ハンガリア舞曲』、パッフェルベルの『カノン』とかですが、やり方によっては(ラヴェルを意識しないで)、『展覧会の絵』だって可能です。自分では、アレンジメントが無理だと思われましたら、一度、自分のバンドのために、スペッシャル・アレンジメントを特注されてみては如何ですか。方向性が見えて来ると思います。具体的なご相談は、Winds Score 経由でどうぞ。

>もうすぐ40歳さん
 『雅抄楽』の楽譜は、(有)ウィンド・ギャラリーさんより、出版されています。
 
>さんと ろさりおさん
 僕は、中学校で数学を教えていたことがあるのです。その僕が最初に赴任したのが、京都市立桂中学校なのです。一時開店休業していた吹奏楽部を、生徒諸君の希望で、15名だったかな、で復活させました。
 当時は、現在のように吹奏楽の楽譜が沢山なく、僕が作曲・編曲していました。僕の書いたスコアを、部員が一人ひとり写しとっていたんですよ。ポップスを取り入れたり、マーチングを始めたのも、僕です。桂中学の吹奏楽部には、時代として、ブラバン初期の思い出がギョーサンあります。京都会館のコンサート・西京極球場でのナイターコンサートなどですが。僕が3代目の顧問になるんかな。50年前のことですね。

> 壱さん
 『雅風断章』は、京都の嵯峨野の秋をイメージして、作曲したものです。雅風という語には、「雅な京都の嵯峨野に吹く風」という意味と、「嵯峨野という風景」という意味を込めています。嵯峨野の大覚寺・天竜寺の本堂に座って、庭園に静かに吹いて来る風に、今の自分を考えて風と対話しているといったイメージです。また、竹林の中を歩いている時、ふと風が吹き抜けて行くといった様子もあります。皆さんが街を歩いていて、ふと風が吹いて来て、というイメージでも良いと思います。嵯峨野という雅な歴史を持っている土地が、僕たちに与えてくれる心の高ぶりを感じる秋、という感じです。

>北沢 凜さん
 まず、和音が合っているかどうか、ということですが、これは感性のもので、美しい・澄んだ・豊かなといった言葉で表せると思います。自分が経験的に、感性として育んだものです。だから和音の響き合っていることは、自分がそう思っているかどうか、ということです。
 一般的に云えば、1・3・5音のバランスは、 10・5・7が良いと思います。そして、長3和音のときは、3音が低め・5音は高めが良いと思います。短3和音は、逆が良いようです。
 それから、和音は単独では意味がなく、和声として進行して意味がありますので、各音が次にどう進行するかによって、表現しなければなりません。ですから「和声法」をどの音楽生も必修で勉強するのです。

>まどかさん
 『元禄』は、全国の皆さんが競って演奏してくれています。吹奏楽のスタンダードとなって、作曲者として、こんな嬉しいことはありません。ぜひ、自分達のバンドの個性を生かした『元禄』に仕上げて下さい。各部分に充分イメージを持たせることが重要です。
 今、被災しなかった僕たちは、ブログに書きましたように、音楽をもう一度見つめなおし、音楽と真剣に・懸命に取り組むことによって、音楽の持つ素晴らしい力を再確認し、音楽をやっていける生きている喜びをかみしめることでしょう。僕たちがこのような姿で生きていることが、被災者の方々の励みになると思います。

>まりさん
 ブログに書きましたように、いま僕たちがやることは、音楽人として「音楽」をすることです。今こそ「音楽」の愛・絆・心をしっかり受け止め、その素晴らしい力を確認することです。そのために、吹奏楽部活動を通して、音楽を通して、心を鍛えて来たのです。自分を磨いてまたのです。音楽をやる目的はここにあるのです。コンサートもコンクールも、一つの目標ではありますが、それを乗り越えることで、もっと向こうに人の強さを作り上げる、大きな目的があります。僕もんな意味で作曲しています。新しく出版された僕の『東北地方の民謡によるコラージュ』は、東北地方の皆さんへの応援歌です。

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【ウィンズスコア編集部より】
下のコメント欄(comments)にて、櫛田先生へのメッセージ・質問等を受け付けております。後日まとめて、先生にお返事していただきますので、疑問や悩みをぶつけて下さい!


(追記あり)東北地方太平洋沖地震にふれて

 早くも半月になりました。あらためまして、この度の東北地方太平洋沖地震により、犠牲となられました方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました皆様方に心からお見舞い申し上げます。
 この半月の間、ぼくは音楽家として、どう考え、何をすべきか考えてきました。答えは、やはり音楽をすることでした。音楽をすることで、生きることの素晴らしさ・愛の絆・悲しみ・喜び・せつなさを深く知ることが出来ます。音楽の持つ大きなな力は、生きることの素晴らしさを教えてくれました。

 沢山の吹奏楽族・BANDの皆さん、今こそ奮い立って、音楽をやろう!そして、生きることの喜びを、しっかり胸に抱こう。

 コンサートを控えてる吹奏楽団の皆さん、素晴らしい演奏会にしよう。

 楽器を奪われてしまった被災された皆さん、楽器がなくても音楽は生きています。歌おうよ!

 被災を免れた、全国の多くの皆さん、被災された方に思いを込めて、楽器を置いて音楽をやりませんか。そう「コーラス」だ。生きているなによりの「あかし」だ。これは、音楽の源を教えてくれる、良い機会になるよ。「心に太陽を、唇の歌を」だ。

 ぼくは、打ちひしがれた被災地の方々の報道の中で、人の社会のあり方の素晴らしさが、蘇って来ることを、毎日のように知りました。ぼくも、この力強さの中で、『組曲「星の王子さま」』を書き上げることが出来ました。
 復興の願いは、一人ひとりが、今出来る最大限のことをやり遂げ、希望の思いを育て上げることでしょう。

(2011/3/30追記)
 さて、僕の事で恐縮ですが、全日本吹奏楽連盟から「楽しい吹奏楽」シリーズとして、かつての課題曲『東北地方の民謡によるコラージュ』が新しく出版されることは、このブログでも以前書きましたし、もう多くの皆さんのご支持を頂き感謝いたしております。東北地方の民謡を素材にしたこと、つまり東北地方の皆さんからお力を得た作品です。その発売のおりしも、この東北地方の皆さんを襲ったこの災害です。この曲が東北地方の皆さんの応援歌になって欲しいと思います。そんな心を込めて、この『東北地方の民謡によるコラージュ』の印税を全額、東北吹奏楽連盟に寄付することにしました。全く些細な力です。復興にかかる時間はどれ位のものか、想像つきませんが、応援し続けたいと思います。音楽の、吹奏楽の素晴らしい力を皆んなで。

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【ウィンズスコア編集部より】
3月11日ごろに「2月のコメントへのお返事」を掲載する予定でしたが、折しも震災があり、しばらく更新を自粛しておりました。先日、櫛田先生より上記のメッセージをいただきましたので、先に掲載させていただきます。コメントへのお返事は改めて掲載いたしますので、ご了承下さい。

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