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「アレンジ曲」は「アレンジ」が命!!

吹奏楽の世界で「アレンジ曲」と云った場合、オーケストラで作曲された、いわゆるクラシックの名曲を、吹奏楽のために編曲したものを云うんだ
さすがに弦を主力にした、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典派の作品は見られず、管楽器が煌めく、近代・現代の作品が中心になっているね。
ベルリオーズ、ワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル、イベール、ファリャ、コープランド、R.シュトラウス、ホルスト、プロコフィエフ、レスピーギ、バルトーク、コダーイ、リムスキー=コルサコフ……、思いつくままでこんなところかな(失礼!)

普通の音楽好きの方
「そもそも何でオーケストラ作品を、わざわざ吹奏楽でやるのん


「そら、もともと曲がエエやしやんか

先程の方
「それやったら、吹奏楽族のオーケストラに対する、単なる羨望ちゅうもんやんか。」


「いやいや、それもあるけど、その憧れのオーケストラ作品に触れてその素晴らしさを体験することは、教育的に云うても悪くないで

もう一度、先程の方
「そやけど、その疑似体験の仕方が間違ごうとったら、そりゃエライコッチャやで(ものすごくするどいツッコミ!)」


「例えばどんなこと

するどい先程の方
「センセなに云うてんのん、頭から問題ありやんか。あの種々雑多のアレンジ・編曲、どない思たはんのん

僕(胸の内で)
「マイリマシタ

指揮者の秋山和慶先生(僕の『飛鳥』の初レコーディングで東京佼成W.O.を指揮して頂いた先生)と、このアレンジものの話をさせて頂いた折、先生はさりげなく「アレンジ次第やなぁ。」と云わはった。

云われてみれば、そうや、その通り。このお言葉、重たいわ
オーケストラのスコアをそのまんま、適当にパートに割り振っただけ、
そんなんよう見ます。
そんなんはアレンジちゃうで。
そんなんはトランスクリプション(移し替え)と云いますねん。
そんなんが5万円も6万円もして、横行しとるんやさかい(ご注意

編曲は、オーケストラのために作曲されたという、もともとの意識をしっかり持った、オーケストラの響きの再現を目指すわけやから、楽器の組み合わせには、最大の工夫がされていないとね
特に、弦楽器部の処理やろうな。ヴァイオリンをそのままクラリネットへ移すなんて、クラリネット・イジメやんか。弦のトレモロ、どないすんねん。ピチカート、何でやろか。

そやけど、難解なパズルを解くような、知的スリルを味わいながらのアレンジも結構楽しいのですよ。そんな味わいのある、ゲイジュツ的なアレンジ曲を、探してみようよ

そうだ、アレンジャーになったつもりで、君もオーケストラのスコアを読んでみない?
何か歴史的作曲家と対話してるみたいになるよ。

「アレンジもの」の話はまだ続くよ。ではまた次回。

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【ウィンズスコア編集部より】
下のコメント欄(comments)にて、櫛田先生へのメッセージ・質問等を受け付けております。後日まとめて、先生にお返事していただきますので、疑問や悩みをぶつけて下さい!


まず、目標を見据え、見定めた選曲ありき!

コンクール第1ラウンドがそれぞれの地域で終わり、一段落というところかな。
代表になって、上位大会に進むバンドは目標を大きくクリアしたことだし、この神様がくれたチャンスを生かしたいね

まあ、殆どのバンドは「夏が終わった」ということになるんやね。
ただ終わっちゃったんでは、熱さと戦った意味も何もないんで、やはりここんとこは、コンクールからの課題を考えてみよか

まず今日は、君たちが選んだ1曲の話。

この猛烈な熱さの中、願いを込めた1曲、どんな願いを込めたのかな
一昔前、審査員のコメント(例のメモ)に、「選曲ミス!」なんてのが良く見られた時代があったのです。
もう今時、こんな無礼な解ったような解らんようなコメントは、皆無やと思っとるんやけど
ミスであったかどうかは、自分たちが考えることやし、「この曲に取り組んで良かったぁ。」と云えればそれで良いのやんか。

しかしだ、1曲選ぶ大切さは、やっぱり大切なことに違いないな。
やはり上位入賞のバンドの選曲には、さすがそのバンドのポリシーが鮮明に見えて来るやんか。
君たちのバンドの1曲は、さてどうだったかな。
君たちのバンドを生かす、選曲が出来たかな。
終わってみて、色々課題が見つかって来たら、こんなエエことはないんやが。君たちのバンドは、どうしてその1曲に白羽の矢を立てたの
思い返してみようか。

最近の情報量の多さ加減に、押しまくられてへん?
音楽出版社の人「今年の自由曲、イチ押しはこれっ
僕「あんたとこ、イチ押しが何曲あんのん?(ツッコミ)」
音楽出版社の人「どれでもイチ押しなんでっせ。」

そうや、吹奏楽の曲って、どれも面白いし、ドラマティックやし、その通りや。
前年度のコンクールのCDを聴いて、音楽出版社の音源CDを聴いて、これ格好エエやん、って何となく部員の多数決かなんぞで、決めてしまってへんやろな(この辺は課題曲選びと一緒かな)

やっぱりここは、自分たちのバンドのポリシーがあって、こんな音楽をやりたいというイメージがあって、しっかりと目標を見据えた選曲が一番と違う
情感込めて聴衆を泣きにする音楽にしたい、
ドラマ的展開を色彩豊かに表現したい、
スピードとスリルで技術の凄さ見せつけてやろう、といった色んな目標を持ったら良いんや。
それを最大限生かす曲を探して、やっとこれやということになるんや。

そう、先にイメージありき、や。
目標をピシッと見据えているんやから、これがハマッタときは、すごく心を揺さぶられて、猛暑以上に燃えちゃうことになるんだよ。
燃えるもんが先にあるんやから。当たり前か

さあ、1曲心当たりが出来たけど、選曲とともにコンクールにはもう一つ問題がある。

それは時間やがな
絶対的制限時間が立ちはだかりよる。

こいつを制限(取り締まり)、と窮屈に考えんと、こいつを逆に生かしたらどうやねん。
つまり、時間を限って来るということは、曲の一部でもエエで(ホンマは全曲やりたいんやけど…ウソ。全部やればボロが出よる。)ということやない?
言葉悪いけど、ヤバイとこはヤランでもエエちゅうこっちゃ
楽曲の一部を、エエように切り貼りして(エエとこ取り、上位入賞バンドも殆どこれやんか)演奏してエエということ。

「自由」曲、とはよう云うたね。

ただ誤解してもらっては困るよ。
このエエとこ取り、その曲のゲイジュツを傷つけることが、あってはならん
それは、作曲者の人権を傷つけることになるからね。

コンクールの制限時間が生んだ、吹奏楽の世界の、この切り貼り技術(やっぱり編曲=変曲?)は本当にスゴイ
上位入賞バンドは、メンバーの技量を見据えて、この技術(?)も完璧にやって来るね。
選曲とともに、この切り貼り技術が、コンクールの第一関門かも知れへんね。
自分たちのバンドが、どないしたら一番良う見えるか、言わば音のコーディネートって云うんかな
指導者の先生は、音のオートクチュールのデザイナー(であって欲しい)。
コンクールが終わっても、次の演奏会へのレパートリー辺りを考えて、自分たちのバンドの目標・イメージを膨らまして行ける、オンリーワンのスコアを作って見てはいかが

次回は、いわゆるアレンジものの話にしよう。ではまた。

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「金賞」は「目標」であって、「目的」ではないんだ!

いよいよコンクール本番の開幕ですね。
「○○中学校、ゴールド金賞!」「キャァーー
ホール一杯熱気が飛び交って、僕も歳を忘れてしまいます。
「コンクールに出る、金賞を頂く。」を目標にして、色んなことに取り組んで来たんや。
その目標を一つ乗り越えた感動は、僕も一緒に頂き!みたいな思いになっちゃうな

ただ、ここでチョット冷静になってみようか

そうや、金賞だったからといって、2曲・12分の演奏で、そのバンドの音楽性の全てが、高く評価されたわけでもないし、ましてや人間性の高さを物語るものでもあらへんのと違う
逆に、「ダメ金」と冷やかされたり、「銅賞や、ドウショウモナイわ。」なんてガッカリすることないのんと違う
大事なことは、ここまでどのように取り組んで、どのような努力をして来たんやろか、と云うことなんや。このことについては、前回のブログを、もう一回読みなおして欲しいね。

要するに、コンクールの結果から、これからの課題が見えて来たら、ホンマにグッー結果だけに一喜一憂していたら、これから先を見間違うことだってあるぞ。

そもそもあなた方は、何のために音楽をやっているの
「好きやから。」「格好エエから。」「○○の演奏に感動したから。」
これらはすべて、音楽を始めた動機なんや。
さあ、それで始めた音楽やが、素晴らしい楽曲に出会って、皆でああでもない、こうでもないと演奏しながらやっている内に、おのれの感性が鍛えられ、磨かれて行くんやね。
そして、仲間と腕を組みながら、感性豊かな人間(ホゥッ!)に成長して行かはるんや。スゴイこっちゃ

もう解るやろ。

コンクールは、そして金賞は、そのプロセス(通って行く道中)の一つの目標なんや。
この目標を一つ一つクリアし、課題を見とどけ、やがて、感性豊かな立派な人間に成長して行くんだね。そして、人のため社会に役立つ人間になるんや。
ウァッー、話がデカイ

しかし、本当そう違う?
人は自分一人では絶対生きてゆけへんさかい。
いま、君の目の前のもの、身につけているもの、使っている道具、自分で作ったもの一つでもあるかっ
皆んな人様のオカゲで生きとるんや。
それやから、人のため社会のために、役立つ人間にならなあかんのや。
それを音楽を通してやっとるんや。音楽やる「目的」はここやったぁ!
野球部の皆んなは、野球を通して、サッカー部の皆んなは、サッカーを通して、やっとるんじゃ。

君たちの練習場に「目指せ!金賞!」なんて大きく書いてあるじゃろうが。
明日行って、それよりも大きな文字で、
「感性豊かな、人間に成ろう!」
「人のため、社会のためになる人間に!」
と書き加えようか

では、コンクール本番、バンドの皆んなが自ら感動し、その感動を聴衆の皆さんとも共有出来る、そんな感動的な演奏をどうぞ

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「演奏」は「再生」でなく「創造」である!!

コンクールが、真近くなって来たのですね。
この時期、
「この曲は、どんな想いで作曲を?」「この曲のイメージは?」
「この部分は何を?」「この音は何をイメージしてる?」
とまあ、このような質問(?)が殺到します。

一寸待って下さい

このようなことは、曲に取り組む前にやっておくことでしょう。取りあえずやり始めて、どうのこうのとやって来て、ここへ来てどうしょう ? そうや、作った人に聞いてみたら?…。
チョット違うのではないでしょうか

まず、何か催し物をするにしても、家を建てるにしにも、物事を始めるのにはまず企画・設計しますね。上に書いた質問の多くは、演奏に取り組む最初の段階にやっておくことではないでしょうか。

また、作曲者のコメントを参考にして、なんて云いますが、この「参考」という言葉があぶないのです。これにとらわれてしまうんですね。
課題曲もそうなんだけど、参考音源なんて云って、けっこうそれがアシカセになってしまっていることが多いんじゃない。

もう何年も前のことですが、北海道の留辺蘂中学校が、僕の『飛鳥』という曲に取り組むのに、皆んなで手分けして、飛鳥地方の資料を収集し、その歴史・遺跡を研究し、その中からこの曲のイメージを創り上げて文集にした(演奏練習に入る前なんです!)のです。
その文集を送って頂き、驚くとともに感動した経験があります。
そこには、『飛鳥』を演奏することを通して、皆んなで何かを創り上げて行こうという、創造の意欲が見えて来ます。スゴイッ

僕の作品『元禄』には、日本の持つ独自の美意識、日本人の持つ独自の感性を、歴史上文化が大きく花開いた元禄時代に重ね、作曲したものです。部分部分には賑わいや人情・活力など、イメージ豊かに描いていますが、これは僕自身の発想なり、創造なのです。
ここから、今度は皆さんの『元禄』の世界を創造して行くのです。
福工大附属高校と次郎丸中学校、この2校の『元禄』の演奏には、全く違った創造の世界があります。そして、2つとも全国金賞です。
※編集部注:福岡工業大学附属高校(現:福岡工業大学附属城東高校)は1999年、福岡市立次郎丸中学校は2005年に、コンクール自由曲として『元禄』を演奏されました。

Q「『元禄』の出だしの和音、何をイメージしているのですか?」
僕「あなた方は何をイメージしますか。
  (ここが大事なとこなのです。)

Q「アルト・サックスのソロはどう演奏するのですか?」
僕「貴女はどう演奏したいのですか。
  (ここがカンジンなところです。)

Q「『秀吉』の最後のTam-tamは何を表しているのですか?」
僕「夢の余韻かな。ところで、君は何を感じますか。
  (これが重要なのです。)

さあ、自分たちだけの『元禄』や『秀吉』を創りませんか。
音楽が面白うなって行きますよ。
そう、感動的な素晴らしい演奏は、いつも独創的です。
ではまた。

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音楽は、イメージ溢れるドラマティックなのが一番やでぇ

読者のおひとり、「吹奏楽大好き」さんから、僕の『秀吉』のストーリーと表現法(つまり演奏どないすんねん?)という、お便りを頂きました。
ので、この曲をまな板にのせましょう。そして、音楽はこないに表現するエエんや、という話です今回は。お付き合いのほどよろしく

まず、この音楽は何をテーマに作曲されているのか
そうです、秀吉の一生を通して、人生の夢を描こうとしたものです。
人生には夢を持つこと、そして人生は夢で終わる、しかし、その夢のプロセスがどだいオモロイのでっせ
僕はいつも、数分間の曲にも、こんな人生のプロセスをドラマティックに作曲しようと思ってるんです。僕の曲は、イメージ溢れるドラマやと思わへん?
ゴチャゴチャと音が大音量で行き交う、ハチャメチャの音楽とは違うのん

ライトが消えて、静かになったステージ。いきなり強烈な和音でドラマが始まる秀吉のテーマ。ここにはすでに天下人になろうとする、颯爽たる武将の姿が見える
トランペット・セクションの旋律は、他の全てのセクションを従える。

音楽表現のポイントは、この部分の主役は誰かを鮮明にすることでーす。
32小節目[C]から、ふと昔を思い出すこともあるんです。
[D]からは、生まれ故郷でもある農村を思わせるイメージ。

ポイントは、何がどのように描かれているのかをイメージすることでーす。
[F]からは、ねねの優しい愛に支えられて、少しの心の平穏を、というエピソードが挿入されています。短いエピソードをどう美しく、印象的に表現するかも、見逃してはいけない。

ポイントエピソードを印象的に
[G]からはこの曲のクライマックス、戦闘シーンに入ります
戦国の武将達が命を懸けた大勝負を描くわけですが、戦闘という殺伐としたシーンの中に、命を懸け繰り広げた美学を持って、スペクタクルな音響を作り出さなければなりません。
そういえば、兜に「愛」の字を掲げた武将がおりましたね。

ポイント曲のクライマックスはどこや?
そして表現は、音響だけやのうて、そうや魂がこもっとらんとあかん

そして曲は、最後のポイントエンディングに向かう。
戦国という乱世の中に、天下統一という夢を持ち、果たされた後まだ夢の続きを追い求める……
こんなドラマを8分の音の絵巻にしようという、この企みのもの凄さを知りながら、作曲している僕はなんだろう。

さて、君たちが今取り組んでいる曲、話してきたポイント1から5までが見つかったかな?エピソードは?それさえしっかり見つけることが出来れば、イメージ溢れたドラマが演出できるぞ

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ベース・ラインのジョーシキ

前回では、格好いいリズム感を作り出すための、ベース・ラインの演奏の基本を話したね。今日は、もう少しこのお話を続けようか

日常生活での行い・人様との付き合い・公共の場での態度など、物事には常識っていうヤツがあるわね。言葉の使い方だって、文章の書き方だって、メール一つにしても常識ある対応がいるんじゃないかな
音楽の表現にも、モーチロン常識があるんや。この音楽の常識を知らん(レッスンや部活なんかで、何年も音楽やってるのに)音楽人が以外と多いんだ
僕は、その無常識音楽人より、指導者の方がアカンのや、と思ってる。フレーズをどう演奏するのか・リタルダンドはどうするのか(だんだん遅くなんていうタンジュンな話と違うんやでぇ)といった、常識の常識が常識になっていないんで、もうどうしょうもない。
愚痴ばっかり云わんと今日の本題ベース・ラインの常識に移ろう。

ベース・ラインには「ド・ソ・ド・ソ」と和音の根音と5音を繰り返すコーダル・ラインと、「ド・シ・ラ・ソ」と音階的に進行するスケールライク・ラインの2つがあるんだね。この2つのラインを上手くコントラストを付けて、演奏分けするんだ

まず、コーダル・ラインは前回お話したように、少し長めに響きに余韻を持たせて。マーチの場合、強弱・強弱のリズム感でやることになるね
問題は、同じ和音でこれが長く続く(課題曲llのAだ!)と単調になることは必至。ここで前回にいった、「流動体感は、2小節ごとのリズム・フレーズ!」を思い出して下さい
こいつを意識して、1・2、3・4(数字は小節だぜ)ときて、5・6はクレッシェンドして。
そして7・8はスケールライク・ラインで、しかもディミニュエンド付きだから、レガートで美しくやっちゃうんだスケールライク・ラインで力強く表現したいときは、作曲家の方がマルカートとかアクセントを要求した楽譜を書くからそれに従えば良いんだ。
9小節目は、コードが変わるから強調して入ります。ドミナント・コードなので、5音・根音というように逆になりますが、1から8までと同じようにリズム感を作って行こう
ベース・ラインの常識、ちょっと意識するとベースの存在感がぐっと増してくるよ。

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ノリの効いたマーチを作ろう

6/20、京都府立北嵯峨高校に寄せて頂きました。
名勝・大覚寺、広沢池の近く、京都ならではのロケーションであります
京都府教育委員会が主催の「サンデー広場」という催しもんでして、中学・高校の方々を対象に色んなことをやるんです。つまり、課外授業というヤツです。

で、僕は吹奏楽のお話(当たり前か)に行ったのであります。参加する中・高生の諸君のリクエストで、コンクール課題曲の2つの行進曲をテーマにお話を進めたわけです。
その一コマをそれでは。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マーチにとっての生命線は、なんといってもリズム感
カラダが自然に動き出す、流動体感だ
さあ、カラダが歩きたくて、ムズムズしてくるリズム感どうして作り出す?
まずは、マーチみたいに、ワルツやラテン音楽・ジャズなんかと同じで、パフォーマンス(歩く・踊る)の付いた音楽は、リズムは2小節ずつの流れで捉えよう(課題曲マーチのように4拍子のヤツは1小節になるんやけど)。
マーチやったら、ブンチャ・ブンチャ・ブンチャ・ブンチャやし、ワルツやったら、ブンチャッチャッ・ブンチャッチャッとなるんやね。この2小節取りのリズム・フレージングを、体内に持とう。

さて、実際の演奏では、これを表現するのは、多くの場合ベース・ラインやね。間違っても打楽器やないぞ。打楽器は、ベース・ラインの作り出したリズムに、色彩感を持たせたり、多少誇張したりする役目なんだ

さてさて、ベース・ラインのリズムなんだが、後打ちと呼ばれる相棒(多くの場合、ホルン・トロンボーン)が必要なんだ。結局は、この2つのセクションのコンビネーションが、リズム感を作り出して行くんだが。

さてさてさて、今日のポイント
課題曲IIの場合、ベース・ラインも後打ちも4分音符で書かれていますが、ベースは付点4分音符でアクセントを付けて演奏します。つまり長め。そして根音・5音を繰り返しますから、常識的に強弱・強弱と演奏します。
後打ちのホルンは、スタッカートの8分音符で。つまり短め。ベースの余韻音が鳴っている間に入って来ます。こんな感じで、リズム感とともにハーモニー感も出て来ますよ。
ベース・ラインは2種あるんで、その話はこの次に
ベースはまさに、ベース(基)なんだぁ!!

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バンドのチューニングはハーモニーで!!

チューニングは自己責任というお話を以前にしましたね。
では、バンドのチューニングはどうするんや
これが今日のお話です。

バンドのチューニングとは、バンドが如何に豊かなサウンドで演奏されているかどうか、ということなんだね。

まさか全員ユニゾン(unison; 異なるオクターブも含めて)で、12の音をチェックして行くなんてことはやらないわね。基準音のBbのピッチは、確認することはあるがね。
全員ユニゾンでスケールやあるフレーズを演奏することは、ウォーミング・アップにはなると思いますが。野球部がかけ声かけて、ランニングしている程度かな。

じゃあ本当のところ、バンドのチューニングは何をもってやるのか。
それはハーモニー
つまり、ハーモニー(和声・和声進行・コードプログレッション etc.)が正しく・美しく演奏出来ているか、をチェックして行くことなんだ。
要するに、ハモッてるぅー状態に持って行くんだね。

では、
現実的試行訓練法:課題曲一番人気の『汐風のマーチ』から。
この曲、高校の音楽の先生らしい、変なトリッキーな所もなく、教科書的、いや良く出来た試験問題かな。お話していていても、人柄の素直さ(失礼)がヒシヒシと……

横浜みなとみらい小ホール、ここの楽屋口から楽屋への道筋は、世界一ヤヤコしい
2人の男が、地下の通路でウロウロ。
僕「あのう、出口どこですか?」「いやぁ、私も探しているんです。
これが、田嶋先生との初めての出会い。(コンナことはどうでもエエか )

さて、
A・Bの部分のハーモニー(ベースラインとTrombone)を全員で作って行きます。
8分音符で書かれていますが、ベースラインと後打を重ねて2分音符に書き直し、テンポ4分音符=60位でやります。
Trombone以外のパートは、オクターブを違えても良いんで、オイシイ音域でイイよ。
この部分の和声(コード進行)はオーソドックスで良い勉強になるんだな。ハモリの練習とこの部分の和声感の体感の一石二鳥

旋律はまずまず歌っているけど、リズム感イマイチ、ハーモニー感ケツジョ、のマーチが多いんだなぁ。残念やけど

今日からバンドのチューニングをこんなとこから、やってみない。
各自、チューナーメトロノームを譜面台に用意してね

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いよいよ吹奏族にとって、熱い季節を迎えることになるのだね。

関西吹奏楽指導者研究会なんて、エライお堅いネーミング(集まって来る先生方は、まあ普通の吹奏楽部の顧問の先生方……)の組織があって、毎年この時期に課題曲の研修会を開くんです。23日の日曜日、京阪沿線の守口に集まりました

一応、話を始めるもんがいるんで、大阪音大の高橋 徹先生とが講師ちゅうことで。
高橋先生が曲の構成・イメージ・ねらいを、こんなにして音にして行くんや、と指揮者の先生らしい(失礼)有り難いお話。
僕は、作曲者らしく曲のアナリーゼ(分析)を。
午後の4時間ばかりを、みんなで盛り上がって。要するに、ワイワイガヤガヤと。これがこの研究会のウリなんです
しかしまあ、コンクールちゅうのは(要は勝った負けたやんか)、日本人好きやなぁ。

Q「ほんで、櫛田先生やったらどれやらはんね。」(よくある質問や)
僕「そら、やで。」
Q「なんでぇ ? 」
僕「理由かいな。そやな、はまずテーマがエエ。前に『コーラル・ブルー』という名曲があったね。今回も沖縄の心を歌おうよ。。現在かかえている、沖縄の心の痛さを一緒に考えてみたいんや
5拍子というリズムがエエ。5拍子の2つのパターンが交差して、カッコエエ。指揮者が格好エエわ。『Take Five』 に通じるとこがあるんやな。
テーマに続いてバリエーションがあって、なんともジャジーな流れが気色エエ。最後が一寸時間切れみたいで残念やけど。もう一度テーマがブロードに歌われて終わるとええんやけどね。多彩に書かれたスコアがとても良いね

は、もうここまで書かれたら、アントニオ猪木氏の闘魂注入ビンタを食らったみたいなもので、やらいでかぁ!状態。クラシック音楽のトランス&カットしまくり曲何ぞをシコシコやっているバンドよ、この活力一杯のをやってみぃー
プログレ・ブレークビーツタイプのドラムの格好よさ、おしまいには1拍余りで来よるやんか。E,L&Pのノリやで。Tubaのソロも泣かせるし。
ウーン、今年の全国大会はこの曲で満杯や、とならんかな。ゲーム音楽からプログレ、そしてオリヴィエ・メシアンまで包括した、こんな曲が吹奏楽に気合いを入れて。
昨年から課題曲が存在感を持って来たな。吹連も前向きに走る姿勢になったなった

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今年の書き下ろし第1弾は

爽やかな初夏の風とともに、今年もバンドクリニックには、吹奏楽族の視線が熱気に溢れていたのではないかなぁ。

ウィンズスコアのブースには、
今年も僕のレポート『課題曲の中の課題・2010』を見つけることが出来たと思うよ。
課題曲をバッタバッタとアナリーゼしたレポートは、課題曲を通した音楽理論の勉強になるよ
いずれウィンズスコアのホームページで公開するんで、簡単にアクセス出来て手に入るから、心配すんなよ。

書き下ろし作品としては、去年は『秀吉』で、多くの皆さんに支持して頂き、嬉しくって歳を忘れて、ヨッシャ!また書きますわよ、なんて。
エエ加減にせんと、と云いながら、
今年は『華音櫻來(かのんおうらい)』を書き下ろすことになった。
御所の至近距離に住む、ホンマモンの都人(みやこびと)が、“京都”を書いたらドナニなるんや。そう、コナニなるんや。
それが『華音櫻來』。

アタマの雅楽サウンドで、すぐさま君を京の都にお連れ申そう。
第1主題で千年の時が流れ、第2主題で宮廷での宴は優雅に舞われ、御所の森に月光が降り……。夏が来る。町衆の季節が来る。祭りの音曲も激しくもあり、優雅でもある。

華音”とは、美しい自然の響きを指す。
櫻來”とは、櫻が咲く時、つまり季節が巡って来るという。
京を見た君は、愛に包まれるはずだ

一寸訪れた京都の印象、京みやげの店に一寸立ち寄った、といった曲はよく見受けるが
チガウンダ、この曲は“”そのものと思ってくれたまえ。

5月21日発売予定なんだ。
浄書家のK君とウィンズスコアのM君(櫛田黄門の助さん・格さん)が、この作品でも微に入り細に入り、チェックを入れ完成することが出来たんだ。
ここにも、ウィンズスコアのクオリティーを見ることが出来るんだよ

チョット、ヨイショし過ぎたかなぁ。いやいや、本当にそうなんだから。


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